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日々に耳をすまし、うたうように暮らします。イダトピンガラ(vo)優芽の日々の記録。アイルランドと日本を行ったり来たり☆アイリッシュハープは修行中!


by idatopingala-yuga
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「映画」初体験。

前回の日記で紹介した「The Reader」(邦題は「愛を読むひと」)。


あれから一週間、どっぷりハマってしまって。
いつだってどこにいたって、あの映画のことばかり思ってる。

他のことが手につかないほど、なんどもなんども繰り返して観てる。
毎日観てるから、たぶん7回以上は観てる。
今や台詞を覚えている。


原作も買った。
オーディオブックも買った。(ここらへんはお話の内容に沿っているような)
すでに知っているお話とはいえ、200ページ以上あるペーパーバック(くどいようですがもちろん英語だよ!)を、なんと一晩で読み切ってしまうなんて!

我ながらすごい執着心だ。



とはいえ、実はひとつの映画作品にここまで取り憑かれたのは人生で初めてだと思う。
あたしは決して映画マニアではないし、そもそも「映画好き」だなんて名乗れるほど、映画について何も知らない。
「好きな映画は?」とか聞かれたらね、答えるよ。
例えばミクシのプロフィール、好きな映画の欄には


ジブリ作品
ショートバス
life is beautiful 
スワロウテイル 
ダンサーインザダーク  
告発 
シャイン 
ROSE 
ピクニック 
アメリ 
ヘドヴィグアンドアングリーインチ



って書いてある。
ここには載ってないけど


最高の人生の見つけ方
The Notebook
The PIANO



なんかも好きだし

「サウンドオブミュージック」

なんかはもうやっぱり特別だったりする。



でもね。
あたし思った。あたしなんか今まで「映画好き」とか言っちゃいけなかったって。

The Reader という作品に出会ってはじめて、とことんまで理解したいって思った。
解釈の予知を存分に残されているからこそ、余計に巻き込まれてしまうんだ。

ネットでもいろんなひとの解釈やら製作チームのインタビューやら読みあさって(こんなとき、英語が出来るようになってきたことをすごく便利に思う)そうなんだよとか、いやそうじゃないんだよとか、はしばしの、キャラクターの表情に対する疑問から始まって、この作品に関わったひとたちがどんな思いで描いた物語なのかとか、あたしの心はこの作品になにを映しているのかとか。果ては人類の歴史に置ける「物語の役割」ってなんなんだろうってとこまで。

問いは宇宙のごとく膨張してゆくのです。


あらすじをなぞってレビューを書いたり、演技力の成熟がどうのとか、そういう批評めいたことは書けないけど、間違いなく言えるのは、

あたしはこの作品を通して、「映画を好きになる」ってことをはじめて体験したように思う。



茂木健一郎のいうところの「クオリア」ってやつか。
これが「映画を好きになる」ということか。

どうしようもなくお話に取り憑かれて、憧れと嫉妬が混ざったような「それ」はなんなのか知りたくて知りたくて・・・。

お話に取り憑かれる・・・と言うよりはあれだな。
その作品を造った裏側まで含めてぜんぶ。
本当にクリエイティブな仕事をしているひとはやっぱりどうしようもなく魅力的で、一体どれだけの才能と情熱が協力し合ってこれだけの作品をつくりあげているのか、というところに、あらがいようもなく身悶えしてしまうのです。


あぁ。しばらくはこの映画から離れられそうにありません。
ごきげんよう。




かしこ。
by idatopingala-yuga | 2010-12-13 04:53 | 日記